仕事について

先日の記事で少し触れたが、私はビルメンテナンス業、通称「ビルメン」に従事している。

底辺職の代表格的な存在だ。年齢に見合った賃金も得られず、世間体も悪い。勤務するビル内で見下されたことも何度かある。

老年が第二の人生で行う分には悪くないのだろうが、私の場合は第一の人生からずっとこれだったので恥ずかしい。27歳からやっているので、もう20年超だ。

そんな私も、社会人の第一歩は今では上場企業のようだが、そんな会社の総務部にいたのだけれどもコミュ障なので馴染めずドロップアウトしたわけ。

そこから転落の一途で、スキルのつかないサービス業みたいなものを色々やってビルメンに流れ着いた感じ。

技術系ではないのでどうしても転職をしようとすると、営業系か現場系しかないわけだ。営業はノルマで叩かれて長期勤務は無理な気がしたけれども、現場系は体力がないし恥ずかしいので嫌だということで、よくわからない営業補助という名の営業に引っかかったり、コミュ障なのに家電店系の店員だったり、スキルがない中で営業と現場仕事を避けることだけを最優先した。

とはいえ、本当に碌な仕事がなくデスクワーク系の仕事は100%の確率で書類審査すら通らない中、20代も後半になってきて、いよいよ現場仕事も考えざるを得なくなってきた。

本当に気が重くなった。人生終わったと思った。力仕事はできないので、負担が軽そうな仕事を探すと消防設備の点検の仕事が見つかった。

職場は比較的近所だ。早速応募すると面接になったが、事務所に行くと軽くショックを受けた。港町のボロボロの5階建てのビルの1階が事務所で本当にうらぶれた感じの事務所だった。

今だったら現場系の会社の事務所の見た目などまったく気にしないが、当時はこの事務所を見て本当にショックを受けた。本当に自分の人生は終わったと思った。

現場のオジサン然とした社長が出てきて、軽く世間話みたいな内容で終了。

数日後に採用通知が送られてきた。

社員数はわずか6人の会社で当然机などなく、トイレの近くの長机に椅子が置いてありそこが私の席だった。

まあ、キャリアの長い職人の補助だし、見積作成をするわけでもないのでそれで充分だった。早速ペアとなる職人の人が紹介された。

仕事の内容などは気が向いたらまた書くことにするが、点検契約のある現場を巡回するわけだ。

この時に、ビルメン業の人と遭遇することになる。