我慢ができない

50歳を過ぎたら我慢ができず、いつもイライラするようになった。

もともと終わっていた人生が、完全に終わったからというのもあるし、こんな恥ずかしい仕事をして面白くないというのが常に通奏低音としてあるのだが、それがますます増強されている感じ。

ビルメンなんて言う仕事は、新卒でやるものではなく、あぶれた中高年の受け皿というのが唯一の社会的意義であって、民間版の生活保護みたいなものである。

ただ、昨今は失われた30年ということもあって、ビルメンに転職したらまだましだったというひどいブラック環境の人もいるようで、本当に、日本は転落したなあと思う。

40年前のように、輸出産業の工場が日本中にあって、一応大企業の正社員という職を通じて各地方に富の再分配としての機能がされていたわけだが、自動車はまだ元気だが、家電の崩壊、IT分野での無力、全体的な生産拠点の海外移転により、国内に残された仕事の大半がサービス業となった。

サービス業で付加価値をつけることは大変難しく、大半が低賃金の仕事である。

高齢化と人口減少とともにサービス業の増大というのが深刻な問題だと思う。

そういう流れの中でやむなくビルメンに流れ着いた人も多い。

奴隷の鎖自慢をしても、結局は誰でもできる取次業、伝言ゲームのような業務なので、モチベーションが上がるわけもない。その上定期昇給もないような企業が多いのだからなおさらだ。

そういうものが積もり積もってビルメンマンの多くが、とにかく仕事をせずにさぼるか、必死にマウンティングをして精神の安定を保つか、イライラして当たり散らすか、そういう人間の多い職場になりがちである。