さて、四十九日がやってきた。
しかし、当日雨なので、父が延期してしまった。
当日は、よく晴れていた。暑い。
そういうわけで服装はラフなものにすることにした。
お骨と仮位牌を車に乗せ霊園へ。スーパーに立ち寄り花を購入。
事務所に書類を提出。骨壺に名前が書かれていないので、蓋の裏側に名前を書いてほしいとのこと。表だと消えてしまうという。渡されたマジックでフルネームで記入した。花はそちらで用意してほしいとのこと。
で、墓に向かう。準備はできていた。
量産型の墓なので、底部がすでに外れており、骨壺を入れられるようになっていた。
焼香台も設置されている。
墓守の人が骨壺を入れてくれた。花を挿した。
坊主を呼ぶわけでもなく、父がタブレットでお経を鳴らして終了。
ずっと我が家にお骨があったことが自然なものになりすぎてなんとも思わなくなっていたが、本当にこれで終わりなんだなと思った。
帰りの車の中、父は「あんな狭いところに押し込められて」とつぶやいた。
私といえばもうあっさりしたもので、なんとも思わなくなっていた。
晩飯のために立ち寄ったスーパーはいつもの風景で人がごった返していた。
押し出されるように生まれ、押し出されるように消えていく。それの繰り返しに過ぎないと思わせる風景だった。