消防設備点検の仕事は火災報知機や消火器などの設置されている消防設備の点検を行うわけだが、基本的にビル所有者と直接契約せず、ビル管理会社と契約することが多い。
契約形態はいくつかのパターンがあるが、一般的にはビル所有者は管理系の仕事を一切請け負うビル管理会社に管理業務を任せることになる。
そこから管理業務もいろいろなカテゴリが有り、清掃、警備、設備と3カテゴリありそのカテゴリ内にさらに作業が細分化され、それぞれの専門業者に仕事が下りていく。
その結果、消防設備点検の業者の元請けはビル管理会社となることが多い。
小さなビルでは現場にビル管理会社の社員は常駐しないが、大きなビルではビル管理会社の社員が常駐している。
そう、世間のイメージでは何をやっているかわからず、暇そうで新聞やスマホをいじっているだけの人に見える人たちの事だ。
消防設備点検業者としていろいろな建物を巡回してきたが、大きめの物件に初めて入ったときに「ビルメン」の人に遭遇したわけだ。
確かに、世間のイメージ通り、現場事務所で暇そうにしていた。
だいたいどの現場に行っても、私が点検の時に同行して、各部屋の鍵を開けてくれる。不具合箇所があれば報告をして、建物所有者と話をしてくれる。
作業を細分化して見てみると、消防設備点検の仕事は負荷が軽いとはいえ、こちらは一日何件も車で走って現場をくまなく点検して結構、疲れたりもするのだが、表層的に見たビルメンの人は本当に楽そうに見えた。
これで、私は腹を決めた。「ビルメン」になろうと。