ビルメンとLED

ビルメンといえば、世間一般の人は蛍光灯を交換する人のイメージがある。

入居者から見える仕事の代表がそれだろう。

当然ながら昨今はLED化が進行したので蛍光灯の交換も減った。

昔は巨大なビルだと蛍光灯交換だけで一日30本くらいあって、そのためだけのパートの人がいる現場もあった。商業施設ならもっと交換本数があっただろう。

そういう意味では少しは作業が減ったと思う。当然ながら巨大な物件は給排水や空調のトラブルもとても多いので暇になったというわけではない。

小さなビルだと対応案件そのものが少ないので蛍光灯交換が減るとだいぶ楽になる。

在庫の管理や廃棄の仕事も減るわけだ。

大型ビルだと在庫の管理だけでも大変。管球の種類も多い。よくわからない理由で「カウント外」などと書かれた照明があったりするので月末の在庫管理が大変だったことを思い出す。

LEDは寿命が長いといわれているだけであって、実際には良く壊れる。

LED照明のブーム初期の器具はよく壊れた。

営業兼務の巡回系ビルメンなどは工事売り上げを稼ぐためにオーナーにLED照明の提案をして交換させたのはよいものの、数年で壊れて嫌味を言われた人もいるだろう。

また、初期のものは演色性も低く、緑がかったり、青みが強いものもあり、テナントから違和感を訴えられたケースもあったと思う。

ブームになれば飛び込みで工事を勧める業者も出てきて、オーナーから相談を受けたが、「どんな業態でも飛び込みで来るようなのは信用しないほうがいいですよ。」と回答した気がする。

今の器具はそういう意味で安定しているがこれが30年ももつわけがないので、20年程度で更新だろう。下手をすると20年未満かな。本当にエコなのかどうかは疑問があるが、交換はビルメンの仕事だが、更新は業者なので、こっちからすればどうでもよい。

その頃、工事案件にかかわる営業が喜ぶだけだ。

営業も大変だ。基本契約だけで利益の出ない現場が多く、工事を取るようにと言われるものの、大型ビルならともかく、小さなビルなど、歴代の営業が楽な部分の工事は全てやりつくしているので、残っている部分は取り掛かりに面倒な設備の案件だけとか、下手をするとそれすらないとか、オーナーに金がなく直さないといけない部分はたくさんあるのだが、改修が出来ず突発的なテナント対応だけが頻繁に発生し、消耗してしまうことも多い。

巡回や緊急対応部隊が別にいる会社ならまだしも、全て担当営業に丸投げの会社も多く、だから巡回兼営業の職種は、求人が高速回転寿司状態になっていると思う。

でも、大型ビルは大型ビルでビルメン程度が工事を取れるわけもなく、ゼネコンが常駐する規模の現場では、ビルメンごときに工事が回ってくるわけもない。オーナー傘下のビルメンならピンハネくらいはさせてもらえるだろう。