仕事について(その3)

早速、転職活動をする。こんな底辺職だから転職は簡単だろうと思った。

まずはゴミ処理場の設備管理の現場に応募。

面接は現地だった。一通り現場を見せてもらったのちに面接。雰囲気も悪くなかったが、数日後、電話連絡があり、採用かと思ったら不採用だった。

「残念ですが資格保有者を優先させていただいた」とのこと。

うーん。

もう一社応募。書類ではじかれた。

ビルメンすら受からないのかとショックだった。まだこのころはネットもなく、求人誌や新聞の求人欄を見て応募していた。

しょうがないので適当に応募したら、面接に来いと連絡があった。

数社受けた中で一番行きたくなかったところだった。

ビル管理は常駐型と巡回型の二種類がある。

常駐型というのは管理員が現場に常駐するもの。世間一般のビルメンのイメージはこれ。

巡回型というのは現場に管理員が常駐せず、どこかの詰め所というかセンターに管理員が常駐しており、必要に応じて管理員が現場に出動するもの。イメージとしてはセコムとかのホームセキュリティーみたいなもので何かあったら人が来るというものだ。

このタイプは管理員一人で複数物件を担当し、緊急出動の為に24時間待機する必要が有るので宿直勤務となる。

私は楽そうな常駐型を希望していたのにこれが受からず、仕方なく応募した巡回型の会社から面接が来たのだった。

さらに問題なのはこの巡回型の会社は設備業務と警備業務を兼ねていたのだった。

ビルメンの仕事は設備、警備、清掃の3つのカテゴリーからなると先日触れた。

基本的に3つそれぞれが独立した職種であるのだが、一部の企業では設備と警備を兼ねるタイプのものがある。

多能工化というか、設備管理の業務も内製で修繕作業を行うことが少なくなり修繕作業も専門業者に依頼することが多く、設備管理とは言いつつもただの不動産所有者やテナントに対する苦情受付業化しており、警備業との兼務で生産性を上げる志向の業者が存在する。

当然、ビルメンといってもこれでは楽ではない。

面接が来た企業はこの手のタイプなのだ。

この会社の面接は断ろうとしたが、他の会社も書類落ちしており、とりあえずこの会社に入ってビルメンとしての経験者になってから他の企業へ再転職をするか、この企業の中で常駐型現場への社内異動を模索するかのどちらかに身を振ることもよいかもしれないと思い面接に行くことにした。