父が肺がん(その3)

手術当日は付き添いできなかった。

術後連絡が来るとの事だったが、なかなか連絡が来ない。

癒着をはがすのが大変だと時間がかかるとの事だった。

同意書に書かれた手術時間の上限いっぱいになってから、電話が来た。

当初の説明通り、肺の癒着があって時間がかかったとのこと。手術自体は5時間とのこと。

動脈との関係でリンパは部分切除となったこと。

腫瘍自体は取れたこと。

空気漏れが結構あって、薬で対応したいとのこと。場合によっては再手術とのこと。

退院は少し時間がかかるとのこと。

必要に応じてまた連絡があるとの事だった。

もう父も78歳だからなあ。

そういえば母が亡くなったことも、今回の手術も父は実家に話をしていなさそうである。たまに電話がかかってくるがどうしようか。

それはその時考えよう。

さて、私はビルメンをやっているような底辺ですから、金もないのでずっと実家暮らしだった。それが生活のヘッジとなっていた。

世間体?

元々ビルメンの時点でそんなものはないし、生活の安定のほうが大事なので、かまわない。

父が病院なので、母もいない我が家で一人で暮らしていることになった。疑似一人暮らしである。

料理、掃除、洗濯、まあ完ぺきではないがどうにかやっている。

風呂掃除とアイロンがけとゴミ出しは苦手だ。

庭の草むしりとかはまだ大丈夫そうだ。そのうちやらないといけないのだろう。

あっ、シャツのボタンが取れた。

ボタン付けをやったことがないんだな。困った。

ネットを見ながらどうにかやっつけたが、またすぐに外れそう。

20代からずっとビルメンをやっているような属性なので、婚活とかしても不愉快な思いをするだけなのはわかっていたので、女性には近寄らなかった。

性的資本でやりたい放題の女性に低スペックが近寄ることが出来ないことはわかっていたからである。女性は性的コンテンツとして見下せばよいというのが結論である。

この程度の家事でも面倒だと思っているのだから結婚、子育てなどできるわけもなく、何もしなくてよかったと思う。